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確実に戻された
それもまどろみの中でなくてはっきりとした
現実、に
「ええっ!!なんで起こしてくれなかったんだよ!」
「起こしたよ、何度も」
ベッドを飛び降り、春がいるのも気にせず制服に着替えだす
「じゃあ、俺は先に出るね。朝ご飯出来てるからちゃんと食べてから出掛けるんだよ。戸締まりも忘れないようにね。あと…」
丁度ワイシャツに腕を通したところで、春の手が伸びてきて俺の髪に触れた
何度か髪を撫で付けるように手のひらを動かしてから俺を見てにっこりと微笑む
整った顔立ちでこんな爽やか笑顔を見せられると男の俺でも毎度ドキリとさせられる
「寝癖も、直してから行くんだよ」
「わかってるよ!俺だってもう子供じゃないんだからなっ!」
キッと睨み付けるも春と俺の身長差は約20cm
立った状態だと春を見るときはいつも見上げなければならない
この状態は少なからず…悔しい
「はいはい」
笑顔まま、ぽんぽんと軽く叩いてから俺の頭から手を離す
「遅刻しないようにね」
そう言い残し、春は出勤していった
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