日陰 - Ⅰ 狂戦士の宴

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日陰 昇。ヒヨウノボルと読む。 別に奇をてらった訳じゃなく、家の親がつけた名前なんだからしょうがない。 普通に考えて日陰は登らないで地面についたままだと思うが。   「よう。今日もつまんない顔してんな」 とまともな人間が聞いたら血管が一、二本飛ぶような台詞を普通に吐きながらこっちにくるこのバカは江堀 和也。中学からの同級生で何年も腐れ縁が続いている。   「忙しそうだな」 「おいおい。今は始業式なんだぜ?今のうちから可愛い子をキープしとかなきゃ後から横取りされちゃうだろ?」 といってどこかに失せた。   もう帰って来なくていい。 うん。どうせなら可愛い子は見つからないままでお願いしたい。  
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