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江堀が指差す先には人だかりが出来ていた。
髪を染めている物、ピアスを開けている物、制服のはだけた物などが集まり一人の女子に話しかけているようだ。当の本人は当惑している。
「ナンパ中だ。やめておこう」
「ナンパ中じゃなきゃいいんだな?」
誰もそんなこと言ってないと言いたかったのだが、江堀は大股で彼らに近付いていった。
目の前まで来ると数人がこちらを向く。上級生もいるようだ。
いきなり彼女の腕を掴む。
「きゃっ」
「ハロー。俺江堀。ちょっといい?」
小さな悲鳴を無視して江堀は彼女を連れ出す。
当然彼女のギャラリーは気に入らない様子だった。
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