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喧嘩したい訳じゃない
それは解っている
でも――‥
「興が削がれたな――俺は生徒会室に戻るから」
いつもとは違う、冷たい感情の籠もらない声音に、ピクリと躰が縮こまる
それでも許は、その場をすぐに動こうとしない
「許?」
「さっさと身支度を整えろ。戻るぞ」
「……うん」
振り向きもせず告げられた言葉は、ぶっきらぼうで苛立ちさえ含まれている
でも、俺を待っててくれたという事実が、ほんの少しだけ俺の心を軽くした
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