チョコ味の××

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いつもとは違う距離と速度 数十分前は隣を歩いていた でも今は――‥ その大きな背中を見つめ、数歩後ろを歩いている その差が絶望的な距離に思えた ただ、俺を見て欲しかった オモチャのように軽くあしらわれたくなかっただけだ だってさ、オモチャならいずれ飽きたら捨てられてしまうだろ? 結局、独りで空回りして――俺、馬鹿みたいだ いつの間にか、こんなに好きになっていたなんて思わなかった――‥ 最初から正直に言えばよかった 今日はヴァレンタインだから、許のためにチョコを作ってきたんだよって 女の子みたいで恥ずかしいとか、そんなこと気にして喧嘩になったんじゃ意味ない 俺は意を決し、ポケットの中身を握り締めると駆け出した
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