🌷第1回小説選手権🌷

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  『家守り』   作:もぉ~もぅ~ ある所に腕のたつ大工の棟梁がおったと 棟梁はそれは丈夫な家を建てると評判じゃった ある晩棟梁が道具の手入れをしていると トントントン 入り口の戸をたたく音がしよる 「誰じゃぁ?こんな夜更けに…」 棟梁は表に出たがだれもおらん 「変じゃのぉ…」 ところが棟梁が戸を閉めようとすると 『棟梁!ここじゃ!』 足元からえらく威勢のいい声がしよる 見るとそこには1匹のヤモリがおった 『棟梁、今日は頼みがあって来たんじゃが…聞いてくれんか?』 「ほぅ…喋るヤモリが俺に頼みじゃと?」 ヤモリの話はな、今後家を建てる時は壁と床にほんの少し隙間を作って欲しい、作ってくれたらその家の繁栄を約束するという事じゃった 棟梁の建てる家は蟻一匹入り込めない程しっかり作られとったから雨が降るとヤモリは休む所がなく困っとったんじゃと 棟梁は不憫に思いそれからは家を建てる時必ず、強度に関わらない部分を選んで隙間を作る事にしたそうな 雨の日にはヤモリを見かけんじゃろ? 雨が降ると隙間から家に入って雨宿りしているからじゃ ヤモリ(家守り)が住み着く家は繁栄するといわれるのはヤモリが棟梁との約束を守っているからじゃろうて カンカンパラリノピィ  
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