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「詰問状を出しても、おそらく、身に覚え亡き事と言って、誤魔化して来るでしょうな。」
昌信が言った。
「まんまと人質の信康を奪われた。築山殿は使えぬか?」
信勝が聞いた。
「無理でしょうな。築山殿を残して行ったと云う事は、見捨てたと同じ事ですからな。」昌信が言った。
「何か手は無いか?」信勝が聞いた。
「秀吉と家康を戦わせては如何。」
昌信が言った。
「織田信雄を利用するのか?」
信勝が言った。
「御意、信孝が柴田勝家と共に消えた今、信雄が秀吉に対抗しても不思議は御座らぬ。先に信雄は家康に泣きついておりますから、それを利用すれば、秀吉と家康とは一戦交えずには済みますまい。」昌信が言った。
「よし!早速安土に戻り策を立てよう。父上の事は頼むぞ!」
信勝は言い、安土に帰った。
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