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冥界、降りしきる雨の中、先程まで生身だった。今は只の物体と化した物の側で、一人の女性が居た。
***
[ランス・・・]
すると、凄まじい殺気と共に召喚陣が現れる。
陣の中から、人間とは思えない異形の怪物が現れる、足の代わりに一本の尾が伸び、退化した左手の代わりにおぞましく、鋭利な大鎌が不気味に光る。
一体だけでは無い、8体その中でも一際目立つ者が居た。
漆黒の鎧を纏い腰には太刀を下げ、背中には一対の羽が闇夜に伸びている。
その者は静かに口を開けた。
***
[処刑人スーザン、その死体を渡せ。今や貴様には価値が無いだろう。]
スーザン
[処刑悪魔ガリオス?聞かせて、弟を殺ったのは誰?何故?]
ガリオス
[聞かぬが妥当、聞けば貴様も死ぬぞ。]
言うも否や、周りの怪物が陣形を取り囲む。一触即発の気が漂う。
スーザン
[何?殺る気?]
スーザンは軽く笑いながら言った、前方の怪物が鎌を構えると同時に、左頬に有る死神の鎌に刺さったハートのタトゥーに手を触れ、刹那!振り抜いた。
一瞬で眼前の怪物が斬断され、左手には鎌を持っていた。
ガリオス
[ぬぅ!貴様!後悔するなよ!]
言い終わるよりも速く、残りの6体の怪物が倒れている。気付けば、スーザンの鎌がガリオスの首元に当たっている。
スーザン
[教えろ、ランスの言った(ギンガ)って誰?この世界の者じゃ無い事は解る。]
ガリオス
[人間だ、知ってどうする?殺しに行くか?大体これは反逆だ!只では済まんぞ。]
スーザン
[反逆?貴方達が私に下手を売ったのよ。帰って冥王にも伝えて、私は人間界に行くそして、真相を確かめて必ず後悔させてやると。]
言い残すとスーザンは自分の作った魔法陣の中へ入る。
スーザン
[・・・バイバイ、ランス。]
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