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父親のお母さん、つまりサタカのバァチャンは、1ヵ月以上前に、脳出血で倒れた。
最初は意識があって、寝たきりではあるけど、笑ったり、怒ったり、なんて言ってるかはわからなかったけど、話もできてた。
でも2週間くらい前に、いきなり意識がなくなって、ずっとそのまま…。
父親は毎日、仕事終わってからバァチャンとこに通ってる。
オバチャン(父親の妹)が昼間看病してる時は、意識はなくても、けっこう目を開けたりしているらしい。
だけど父親が行った時は、たいてい寝てたり、目を閉じたままが多いとのこと。
今日、父親とサタカ、ふたりでバァチャンの病院に行った。
バァチャンはあいかわらず、意識がなかった。
父親が、バァチャンの肩をやさしくたたいて話し掛ける。
『おふくろ、サタカがきてるぞ。』
バァチャンは目を閉じたまま。
『サタカ、お前が話し掛けてみろ。いつもと違う声が聞こえたら反応したりするから』
『…バァチャン!サタカだよ😃ばーちゃーん?ばぁちゃん!』
手を握って呼び掛けても、やっぱり反応はなかった。
『やっぱダメかぁ…』
落ち込む父親。
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