赤ずきんだった何か。

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 森へと出た赤ずきんは、誰かに見られているような気がして落ち着きません。 (……ロリコンかしら……?)  赤ずきんがそう深読みしたまさにその瞬間、木陰から赤ずきんの様子を見ていた狼は、なぜか強烈な罪悪感を感じました。  しかし狼も生き物。ここで餌となる赤ずきんを捕獲できなければ、最悪餓死してしまいます。  だってこんな森の中に住んでる酔狂な人間なんてあんまりいないんだもん☆  狼は赤ずきんの背後に回り込み、襲いかかりました。するとどうでしょう! 「誰の背中狙っとるんじゃワリャアアアァァァッ!」  とても幼子が発しているとは思えない声そしてセリフとともに、赤ずきんは母親に持たされたワインのビンで狼をフルボッコにしました。  ビンが粉々に砕け、地面についたそのシミがワインなのか血液なのか分からなくなった頃、赤ずきんは正気を取り戻しました。 「やだ私ったら☆お婆様にお渡しするワイン台無しにしちゃった☆」  まるで忘れ物をしたかのような軽いノリでそう言ってから、赤ずきんは血まみれの狼を放置プレイしたまま森の奥へと消えていきました。
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