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「クライシ君は相変わらず準備が良いね。」 「クライスです、Dr.なんですか倉石って。僕は日本人ではありません。」 Dr.も相変わらず学習しないなと思いながらも、手は勝手にマグをシンクの上に乗せ…。 「あっ!?」 手が滑ってマグが一つ空中へと投げ出され、自由落下。時間にして2秒も無い。 しかし。 「おっ、と。」 奇跡としか言いようのない反射神経でDr.はそれが床で弾ける前にキャッチした。 “クライス・マクレインは失態を犯してはいけない!” 頭の中の僕はいつもよりも強い言葉で僕を責めた。 しかし、僕の関心は自分の失態よりDr.に向けられていた。
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