1章 日常

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星麗学園(セイレイガクエン)。 初等部から高等部、付属大学まである、有名私立学園。 そこに龍乃達五人は通っていた。龍乃、朱香、白夜の三人は中等部二年、蓮と岳志は高等部二年である。 元々休み時間中の行き来は自由なので、龍乃達五人は昼食を共にしている。 「あ、そぅそぅ。今日あたし買い物行きたいから『店』行くの少し遅くなるかも」 朱香は思い出したように誰にともなく言った。 『店』とは蓮が経営するビリヤード店のこどだ。--蓮は多角経営をしている大企業の御曹司なのである。 「うん。わかった。待ってるね」 蓮がいつもの柔らかな感じで言う。 「何を買うんだ?いつもみたいに荷物持ってやろうか?」 岳志が暖かい笑顔で聞く。 「ん?大丈夫よ。そんなに買う気もお金もないし。アクセ買いたいだけだから。皆で先に行ってて。お土産買っていくから」 「あぁ、わかった」 岳志が変わらぬ笑顔で応えると、龍乃が 「岳志フラれたな」 とからかう。 それを聞いて、全員がどっと笑った。 いつもの学校風景。 その中で五人は笑い合っていた。
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