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龍乃、朱香、白夜の三人は廊下を歩いていた。
昼食も食べ終わり教室へ戻る途中だ。
そんな三人の耳に潜めた話し声が聞こえてきた。
「見て、桜木さんよ。今日もカッコいいわ」
「あら、あんたファンだったの?」
「ええ。カッコいいじゃない」
「そぅよねぇ」
そんな話しを耳にした朱香が龍乃を冷やかす。
「龍乃、いいわねぇ。女の子にモテちゃって」
龍乃は困った風を装う。だが、そんなに嫌な訳でもない。
「別に女の子にモテたって…同性だし。ま、恋愛は全般的に興味ないけどね」
「もぅ!恋愛に興味ないなんて、やっぱり信じらんないわ」
朱香は頬を膨らませる。
龍乃は女子の人気を良く集めている。背が特に高いという訳ではないがなかなかに高く、性格もさっぱりしている。口調には男言葉も入る。女子は総出で「かっこいい」と褒めたたえた。
「朱香が興味ありすぎるんだ。」
「それに朱香は男子にモテるだろ。可愛いしね」
「白夜だってモテるじゃない。男女共にね」
朱香は見た目の可愛さ、性格の女の子らしさがあり、男子からの評判が高い。また本人も恋愛には関心が高い。
だからと言って誰でもいいと言う訳でもないらしい。朱香の中ではしっかりとした理想がある。なにより心から想っている人がいるようなのである。
白夜はといえば、その身の美しさ、クールさが男女共にいいのだと言う声が聞こえてくる。
「別に。他人からどう思われたって関係ないし。」
…本人は全く興味ないが。
白夜のクールさにはなかなか人を寄せ付けないものがある。だか、儚いが迫力のある美しさを纏っているため、人の目を引くのだ。
そんな白夜の傍に、当然のようにいる龍乃と朱香は他の生徒から見れば、尊敬しかないのだと言う。
「そぅいえば、知ってる?」
朱香が突然二人に聞く。
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