62人が本棚に入れています
本棚に追加
/64ページ
三年付き合って、結婚も考えていた『サトミ』と7ヶ月前に俺の軽い浮気がバレて別れた。
そして先月、俺に届いた一通の案内状。
そして、そっと忍ばせたメモ程度の手紙。
同級生のケンタたちもく
るからアナタを呼ばない
のはおかしいので来てく
ださい。
さとみ
いけるかよ。バーカ。
俺としては浮気を後悔し、サトミとやり直したくて頑張ってきたつもりだっただけに、欠席しようと思っていた。
そんな気持ちのまま暇つぶしにパチンコに出かけ、一万負けた俺は、ちょっと映画でも見ようかとレンタルショップに入っていった。
見たい作品があるわけでもなく、ふらついているとダスティン・ホフマンのコーナーが作られていた。
そう言えばじいちゃんがアルツハイマーでわけわかんなかった時に『レインマン』見てボケっぷりが同じで泣いたなぁ。なんて思い出していたら、代表作『卒業』なんてものに目がとまった。
パッケージの裏を見るとそこにはまるで俺と同じような境遇が書かれていた。
迷わず手に取りカウンターに向かい『卒業』を借りると足早に帰宅した。
パッケージをあけDVDをセットし、いざ再生!
画面の中ではダスティン・ホフマン演じる俺(感情移入MAX)が、すげぇ頑張ってるわけで。
俺、かなり号泣したんです!いや、マヂ感動っす!
ちり紙で鼻チーンってしてたら携帯が鳴りました。
サブウィンドウにでた名前は『ケンタ』。
なんだろ?今頃?
俺は画面を一時停止させて電話をとった。
最初のコメントを投稿しよう!