プロローグ

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 次郎に愛は眩しすぎて辛く当たった。 劣等感を受けていたのだ。向こうは高校生。 自分も頑張って勉強していたら今頃は。 五郎はそう思って愛にふざけるなと叫んだ。 だが、彼女は次郎を怖れて、ネットカフェから出て、ハンバーガーショップに向かった。 信頼残高の低い出会ったばかりの段階で、相手に恐怖心を与えたのだから当然だろう。 信頼残高とは、貯金のように相手との人間関係を築き上げる行為。 預金が増えると、ある程度の自由が効くようになる。 逆に預金が減ると、先行が不安になり、預金が尽きれば破産する場合がある。  次郎は、預金も信頼も破綻していた。 彼が持っている総額は6000円。 後数日仕事が無ければホームレス。 正しい原則に照らし合わせて生活していれば、また違う可能性も考えられたが、選択肢が少なかった。 大学に行くのは、選択肢を広げる為だ。
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