プロローグ

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 人間の可能性は無限である。 だが、それは本人の選択次第。 日々の行い次第。1日の努力でプロのスポーツ選手になれないのと同じだ。 それをいきなり効果を得ようとし、本の内容は嘘だという人間がいる。 成功する法則など嘘だ。作者はボストン大学だから成功もしたし、本も出せたのだ。 学歴の無い俺にどうしろと言うんだ。 人間の可能性は無限? 俺の可能性は皆無に等しい。 さっきの未熟で未発達な女子高校生なら可能性は無限にあるが。 あぁ……腹へった。この本でも売って金にしようかな。 女子高生に置き去りにされたままの姿勢で次郎は考え事をしながら深いため息を吐きそして一冊の本を眺め、バックの中に戻した。 やめた。店に売っても10円、20円の世界だ。 新書でも半額がいいところだ。 1年も経過すれば200円。 売るなんてバカらしい。 なら暇潰しに読んだ方がましだ。 次郎は漫画の中にありながら、不思議な本を読んだ。黒い表紙の本を。 その昔、この本を読んで高明な錬金術師が惨殺された。 そのアルケミストも勝てない本。価格はつけられない。敢えてつけるなら、200万から2億の間だ。 人によっては全財産を捧げて手にした者もいる。 人によっては、決して手離さいない持ち主を殺して奪った人がいる。 次郎はその本を持っていた。そして、全てを理解した時に何かが起こる。
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