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秀雄「俺から催促したものの、いざ云われると照れるな。
しかし友からの祝いは格別嬉しいものだ。ありがとう」
栗山「永い付き合いだがそういうところは嫌いじゃない。
貴様に嫁いだ事を仕合わせに思える生活を送らせてやれ」
秀雄「任せておけ」
栗山「して、可愛らしい伊達の姫君は名前を何という」
香織「静璃だ。伊達静璃」
(返事を待たずに香織が答え、それを受けた栗山は目つきを鋭く秀雄を睨みつける)
栗山「貴様は妻となる女性の名も覚えていないのか?」
秀雄「ご、誤解だ。
貴様が先に云った通り俺は神童と呼ばれた事もあり、記憶力も尋常ではなかったろう」
香織「余計な事をしたかな」
秀雄「全くだ。今日の香織は稽古にしても普段とは別人の如く打ち込んできただろう。
香織の竹刀を見たところ使い物にならんほどだった。
竹刀は力で打つものではないと云う貴様らしくもない」
栗山「今宵の香織はいつになく寡黙であると思っていたのだが機嫌が悪かったのか」
香織「そんな日もある」
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