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栗山「さては貴様、明日の婚儀にてドレス姿を曝さねばならん事を憂いているのだろう」
香織「それもある。
あんなひらひらしたものは剣胴着で間に合っているのさ。
私などより貴様がお得意の柔道着でも着て参列すべきだ」
秀雄「貴様らは婚儀を仮装会か何かと勘違いしていないか?
栗山を招けんのは俺の不徳であるが香織は雑賀翁の孫娘として翁を引っ張り出してもらわんとまた親爺の雷が落ちる」
香織「承知しているよ。
今朝も飯を食いながら西園寺の小僧には香織が世話になっているからなと云っていた。
腕は鈍っておらんので久しぶりに打撃稽古をつけてやらねばならんとも云っていたな」
栗山「ほお、あの爺さんまだ鍛錬しているのか?」
香織「あれは化け物だ。
月に何度か組み手をするが翌日は動く事も出来ん。
此処に来てない日はつまり、爺に家から出られんほど痛めつけられたという事さ」
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