序章…。

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パジャマのままの彼女は、未だに起ききれていない様子で、寝ぼけ眼を何度も擦りながら、二階の自分の部屋から、階段を降りて一階の洗面所へと歩いて行く。 洗面所に着くと、水道の蛇口を捻って水を出し顔を洗い、歯を磨く。 6時48分…。 寝癖の付いた髪を、櫛とドライヤーで整える。 すると、リビングの方から母の声が聞こえてくる。 「優香!朝ごはんできてるわよ。食べるんでしょ!」 すぐには返事をせず、ドライヤーの音で聞こえていない振りをする。 一通りの身支度をしないと嫌なのだ。
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