序章…。

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一度目に母が呼んでから5分程たったであろうか…。身支度も、ほぼ終わりに近付いた時、先程よりさらに大きな声で、母の声が聞こえてきた。 「優香!聞こえてるんでしょ!いい加減にしなさい!」 これ以上、母を怒らせる訳にはいかない。そう思った彼女は、すぐに声を発した。 「は~い。制服に着替えたらすぐ行くから!」 そう言うと、今度は洗面所から、急いで二階の部屋へと戻り、制服に着替える…。 そして、鏡の前でもう一度身嗜みにチェックを入れ、今度はメイクを施す。 唇には、光沢のあるリップを。薄くだが、ファンデーションを塗り、睫毛はビューラーでくるりと巻いて、眉を書く。 ごく普通の、今時の女子高生の完成である。 「よし、できた!」 鞄を持ち、一階へ降りてリビングへと向かった…。
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