序章…。

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7時38分…。 「それじゃ、行ってきま~す。」 挨拶をして、玄関へと向かう。 母がそれを聞いて、彼女を玄関まで追い掛けてきた。 「いってらっしゃい。気をつけてね。」 「うん。あ、そうそう!今度の日曜日って、父の日だったよね。プレゼント、何がいいかな?」 小声で、父に聞こえないように母と会話をする。母も思い出したように考え込んでいる…。 「う~ん…。優香、あなたが決めなさい。」 しばらく考えて返事をする…。 「わかった!日曜日までに、何か買ってくるね!それじゃ、行ってきま~す。」 扉を開けて、自転車の所まで行く。家から駅まで、だいたい自転車で10分くらいだろうか…。 それほど急ぐ訳でもなく、比較的ゆっくりと自転車を走らせて行く。 もちろん、遅刻しそうな程の時間ではないからだ。 ふと、彼女の脳裏に、昨夜見た夢が浮かんでくる…。 いい夢と悪い夢で分けるならば、昨日の夢は悪い夢であった…。
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