57 私の選択

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ディルとルーが私を見た。 「ミヤコ、起きたー!」 「聞いてたのか…」 ディルは、ばつの悪そうな顔をして、私から視線を逸らす。こんなディルは初めてだ…。 私は、儀式部屋の椅子に座らされていた。椅子から立ち上がろうとしてビックリする。 「え…な、何で!?」 メイド服の様なワンピースを着ていたはずなのに…私、いつの間にか制服に着替えてる!!! パニック状態になっていると、ディルがサラリと言った。 「服は、俺が着替えさせた」 「ええっ!!!」 ディルが…!?カッと顔が熱くなる。 でも、それは…次のディルの言葉で一瞬に冷めた。 「帰るのに、こっちの服じゃまずいだろう」 ディルは、そんなに…。 「…お願い。ちゃんとした理由を教えて? 教えてくれなくちゃ、帰るに帰れない」 「ミヤコ!」 ルーが声を上げる。ディルは、ゆっくり私を見た。 「理由を聞いたら帰るか?」 こうでも言わないと、ディルは何も教えてくれない気がする。私は、頷いた。 ディルと視線が絡む。ディルは重い口を開いた。 「元の世界を思って泣くミヤコを見るのが…俺には辛い」
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