投げ込まれたストロー

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「なんか、甘酸っぱさのかけらもない、つっまんない関係だねぇ」 彼女は呆れたように俺を見つめた。 毎週土曜日。午後2時から3時ぐらいまで。駅前のファミレスで、品数の少ないドリンクバー。 相変わらず彼女はちょっとダサい格好と、ちょっと流行遅れになりつつある有名ブランドバック。降ろしたてのメモ帳にちびた消しゴム。 「だってさぁ、好きってなんかあんまり理由なくない?可愛いとか胸が大きいってのは分かるけど、好きだって言われたからとか、なんかクール?ってか若さ?青臭さ?胸キュン?がないでしょ。普通は親しくなるために、ちょっと交際日記とか、コソコソやっちゃったり、ちょっとジュース買いに行くのに遠回りして教室の前通ったりしちゃったりしてさー。きゃーっ!!!」 でもって、相変わらず、おかしい。
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