第一章 始まり

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「さぁ今日は何して遊ぼうか?」 池倉の言葉に大将の山辺が威厳を降りかざす。 「最近俺さぁ、野球に興味あるんだよねぇ。特にピッチャー。」 それにそってお調子者の田島はとても楽しそうに言い出す。 「よし、やろうじゃん。ピッチャー山辺、キャッチャーは俺、守備は池倉。そして……」 いつもの話だ。 そして、結果も同じようなのだ。 「バッターはお前だ、敦。」 勝手に決められる。 これだけ聞いていると楽しく絡んでいるように見えるだろうけど、実際はかなり苦痛だ。 「ボールはないかなぁ?」 山辺は辺りを見渡し、そしていかにもわざとらしく……… 「おっと、こんなところにビーダマが入ってる。」 そういうとポケットから直径3㌢ほどのビーダマを取り出した。
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