#00 始まりは―…

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 その瞬間、影はMZDの影法師と離れ、ロキと共に淡い光に包まれ始めていた。  そう、これは紛れもなくMZDが移動する際に使う空間転送の術だ。 「神!?」 「なっ…MZD、貴様!!」 「悪いが、お前等を巻き込むワケにゃいかね」  影――もといハテナとロキに、MZDはニヒルに笑いかける。  が、その顔は辛く悲しそうに歪んでいた。 「奴等の狙いは神である俺だ。犠牲になるなら俺だけで十分だからな」 「そんな、貴様も一緒に…」 「俺が一緒だと、お前等に迷惑がかかる」  MZDに言葉を遮られ、ロキは黙りこむ。 「今からお前等を、現実世界へ飛ばす。助けを求めればなんとかしてくれるハズだ」 「神!!」 「じゃあな…無事でいてくれ」  MZDがもう一度指を鳴らすと、ハテナとロキの姿がより一層光に包まれ――消え失せた。 「MZDィィィィィィィッ!!」  ――ワタシとハテナの視界が真っ白になる直前、追っ手が一斉にMZDへ襲いかかるのが見えた。  (…MZD、貴様も無事でいてくれ…)  ロキの意識は、そこで途絶えた。
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