51人が本棚に入れています
本棚に追加
スーパーエキストラステージをクリアし終え、ひかりがポップン台近くの椅子に腰掛けながら荷物整理をしている時だった。
「あ…ひかり! 久しぶりだねぇ」
「ん?」
ふいに声がかかったので顔を上げてみると、そこには高校時代の友人に良く似た人物の姿。
いや、良く似た人物などではない。正真正銘――高校時代の友人だ。
「あれ…友理子ちゃん! 何でここに!?」
「たまたまここを通ったら見かけたの。今日は例のアレをしにきたの?」
美土里がプレイするポップン台を指差し、微笑む友理子にひかりは頷いた。
「あ、うん。今日は纏まった時間がとれたから」
「そっか、にしても久しぶりだよね。高校卒業式後の打ち上げ以来だっけ? もう大学生だもんねー…あ、ひかりは短大生か」
苦笑して、友理子はよいしょとひかりの横に座った。
「そういう友理子ちゃんも、前よりすごく大人びて見えるよ。私なんてまんま変わらんし…」
「にぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!?」
「!!?」
花が咲きそうだった二人の思い出話は、美土里の断末魔により見事打ち砕かれた。
「ど、どうしたみーつん!?」
いきなりの断末魔にひかりは思わず飛び上がるように立ち上がる。
一体、ポップンをプレイする彼女に何があったというのか。
心配そうに見つめるひかりを背に、美土里は虫の息絶え絶えに言った。
「フ…フライングデュオHが…
逆ボーダーした……」
「それかよ!」
涙目になる美土里に、ひかりは本日二回目になる裏手ツッコミを入れた。
最初のコメントを投稿しよう!