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「変な断末魔あげるから、心配したじゃないの」
「すいましぇん…って、そちらの方は?」
ひかりから裏手ツッコミ(と言う名の裏拳)を食らい、腹を押さえながら美土里は彼女の隣にいる友理子に視線を上げた。
「ああ、彼女は友理子ちゃん。私の同級生」
「にしてはひかより大人びて見…すみませんごめんなさい追撃の裏拳はしないで下さい」
裏拳の構えをしたひかりに、美土里はその場で土下座をする勢いで謝った。
「まあまあ…そうだ、三人でプリクラ撮りません? 今日の記念に」
この修羅場を回避しなければと思ったのか何なのか、友理子は突然パチンと手を合わせて提案した。
そんな友理子のナイスな臨機応変にひかりは裏拳の構えを解き、明るい表情を浮かべる。
「あ、それ良いかも」
「そうですねー、他にやることないですし。ではここはひかが二百円を出すと言うことで」
「なんでじゃい」
「ごふっ…」
美土里の余計な発言に、ひかりは彼女の脳天にチョップを入れたのだった。
普通の、そしてありきたりな日常
明日が必ず訪れるという希望が持てる、平和な日常
しかしこの当たり前の平穏な日常が、この後見事に崩れ去ることになろうとは
彼女達はまだ、知るよしもなかった――
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