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ロキは立ち上がると、真剣な眼差しでひかり達を見つめる。
そして、頭を下げて言った。
「頼みがある。神を…MZDを助けてくれ!」
「……はぁぁ!!?」
ロキの発言に、一同が驚いたことは言うまでもなかった。
「え…MZD、だって?」
「そうだ。アイツ…自分を犠牲にして、ワタシ達を追っ手から逃がしてくれた! だから今度はワタシ達が助けたいんだ!!」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
驚きを隠せない表情をしている美土里に詰め寄るロキに、ひかりが割って入った。
「MZDって、ゲームの中にいる人物ですよね…実在するんですか?」
それもその筈。MZDというのは音楽ゲーム『ポップンミュージック』に出てくる神様のことで、人の手により創られた架空の人物。そんな二次元の人物が、少なくともこの世に存在する筈がないのだから。
しかし――
「当たり前だ! でなければワタシはここにいないぞ!!」
ロキは首を横に振り、ひかりの言葉を否定した。
「いや、だけどさ…」
「あの…ひかり、美土里さん、ロキさん」
三人の口論が過激になる中、友理子がおずおずと挙手をした。
「…とりあえず、場所を変えません?」
「…へ?」
友理子の意見にひかりと美土里、そしてロキは自然と周囲に目がいった。
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