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しばらくの間。
「…魔女、ですか?」
「ああ、魔女だ」
「魔女なのに空から降ってきたんですか?」
「そこはほっとけ」
魔女なのに空から降ってきたことについては、どうやら触れられたくないらしい。
「…魔女なのに」
「黙れ貴様」
嘲笑うかのようにくすくすと笑う美土里にカチンときたのか、拳をふるふる震わせるロキがいた。
「おーい…着いたんだけど」
そんな彼女等に、ひかりは半ば呆れた表情で見ていた。
「しかし…ここが、ひかりの家か」
「まぁ詳しく言えばこの四階の二号室だけどね」
こういう現代的なものは物珍しようで、ひかりの説明を聞いたロキは興味津々に彼女の住むマンションを見上げている。
と、友理子はあることに気づいた。
「ひかり、親に許可したの?」
「大丈夫、親は外出中。それにちょっと話を聞くだけなら問題ないっしょ」
(それ…ある意味無許可なのでは?)
そう思った美土里だったが、何も言わないでおいた。
エレベーターで四階に昇り、ひかりは二号室の扉に鍵を差し込むとドアノブに手をかけて開いた。
「……よし、誰もいない」
ひかりが予想した通り、家には誰もいなかった。
そして自分は扉を開けて待機し、友理子、美土里、ロキの順に家へ入れていくと、最後に自分もゆっくり扉を閉めながら家に入った。
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