7人が本棚に入れています
本棚に追加
「別に。そういうのはあんま。」
「そう。」
彼は気分が晴れたみたいな顔になっていた。
意味も分からず適当に答えただけなのに…。
みんなは授業の用意をしているが、私は何もしないまま夢の中に入る。
授業とかマジどーでもいいし。
「教科書見せて?」
そっか、彼はまだ教科書貰ってないんだ。
「はい、これ。」
授業に参加する気がないから、私は自分の教科書をそのまま彼に渡す。
私の教科書には、書き込みどころか名前すら書いていない。
1回も使われていない教科書。
「あげる。いらないし。」
そう言って私はまた寝ようとした。
油性ペンのキュッっていう音が聞こえた。
名前を書いているんだ。
最初のコメントを投稿しよう!