記憶喪失

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大災害が沈静化してから政府機関による調査が行われ、原因不明のまま事件は闇に葬られてしまい1ヶ月後、自然と忘れ去られ復旧作業が大企業ヒラリス財閥を中心に進められ酷く建物等が倒壊し、多数の死傷者の出た中心地を多目的公園に造り替え自然豊かな町で不便さが出ない設計となった。 教会を出発して故郷であり、数々の伝説が残る地へ帰って来た3人は家の警護を任せていた金髪で気品ある姿の女性アルに出迎えられ、部屋に入ると仰向けのまま眠ってしまい翌朝、目を覚ましずっと付き添ってくれていたアルと一緒にダイニングへ向かい、先に起きて朝食の準備を始めて待っていたエプロン姿の両親に挨拶し朝食を食べた。 在学中の学校が倒壊し再建されるまでの期間中休校扱いになった為、真琴は毎日の様に剣術・弓道・魔術の鍛錬に励み、両親が使ってきた魔術を短期間で習得し町中の修理出来る物を全部直し、通常通り学校で授業を受け日課の様に帰宅後、基礎体力・剣術・弓道・魔術の鍛錬励んでいた。 そして学校側と魔法・魔術協会の承諾を得て国家試験に臨み、合格した真琴は両親の指導で史上最年少魔法士として学校を卒業し、年齢的に1人暮らしさせる事の問題が起き、以前買い出し中にアルの感じた膨大な魔力が教会と学校付近に集中していた為、比較的安全と報告のあった日本へ帰国させる事になり、挨拶を済ませ荷物を纏め1人裏山へ向かった。 アルと内緒で幻竜の親子を保護し、ずっと面倒見続けていたがイギリスを離れる挨拶に訪れると、瀕死の状態で全身が傷ついた姿の親子が翼を広げて2人を見据えていた。  すぐに治療を始めたが手遅れである事が判明した時、突然激痛に苦しみ出し大量の血を吐いて仰向けで倒れた真琴はこんな時にと呟き耐えたが次第に意識が薄れ、息絶えてしまい親子は私達があなたを助ける例え、種族が違っていても若くて優しく正義感の強い少年だから思い出をありがとうと囁き粒子状態のまま同化し、アルは伝言が書かれた紙切れをポケットの中に入れ真琴を連れて帰宅し看病した。 ヒューマンから幻獣種の中で最も強大な存在である幻竜種へ構造が変化してしまった真琴は目を覚まし昨日起きた出来事を聞かれて暗い表情を浮かべたが、覚悟を決めて支度すると3人に別れを告げて日本へ帰国した。
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