記憶喪失

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翌朝になって目が覚め、ゆっくり起き上がると戻って来た綾子を見て自分の部屋へ戻り2時間ほど散歩した真琴は公園に立ち寄り、日本での記憶が少しずつ蘇ってくると楽しかった思い出等を日記に書き記し参考書と歴史書を買って帰宅した。 普通の魔術師と違い真琴は貯蔵量が桁違いに多く、更に対魔法防御能力が幻竜種に変化してから強力となり本気の彼を敵に回したら国連軍でさえ約半数を失い最悪の事態なら全滅する危険性を秘めていた。  「史上最年少魔法士か、全く助けられてばかりだな」 と考えて溜息を吐き、買った歴史書に書かれた名剣の解説に目を通し再び退行催眠で過去に戻った。  古い武家屋敷の道場で目を覚まし、剣道着姿で自分が学校に通い部活の強化練習で親戚から後継者と呼ばれ、数々の称号の中で最高と称えられる「剣神」を継承し、有名名門校からの案内状が沢山届き1日で読み切ったが稽古より疲れてしまい午後に行われる団結会を欠席した真琴は推薦を断り、全国大会が終わり次第一般受験で快適な教育環境が備わっている誠道学園高校へ進学する事を決め、翌日手続きを済ませ隣町の総合体育館へ向かった。 軽く練習した後試合に臨んだ真琴は反対側の応援席に友紀奈と真紀奈が観戦している事に気づき微笑むと周囲の選手達が驚き、2人も真琴を見つけると手で合図した。 その後、順調に勝ち進み準決勝で最有力候補だった松神中学の上級生チームを大差で圧勝し、決勝戦へ進出すると休憩時間に包帯を交換していた時、2人が通り掛かって痛みに耐えている真琴を手伝い巻き終わると試合終了後、2人に何故包帯を巻いているのか説明し別れた真琴は学校へ戻り、学校長に優勝した事を報告した。 一般受験で誠道学園高校を訪れ、学科と面接臨んだ真琴は休憩中だったので学園内を見学していると恐喝している生徒を発見し止めさせ面接会場へ入り、椅子に座ると3人の試験官から順番に質問され詳しく答え最後に先ほど起こった出来事を聞かれ、少し疑問に思えたがありのままを答えて終了した。
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