記憶喪失

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授業が終わり昼休みになって物凄く嫌な視線を感じて振り返ると、不審者扱いした女の子が仁王立ちでこっちを見ていた。 確か名前は楓・F・ヒラリスで気安く声を掛けるなって言われていたから挨拶だけで良い筈だし弁当でも食べよう、食費を節約して貯金もしたいからな。 すると友紀奈が楓を連れて来て昼食に誘い、仕方なく食堂へ向かい途中で合流した真紀奈達と一緒の席に座った。 周囲の生徒達が陰口を叩き、楓に外見で関わりを持ちたくないと言われ昼食を食べ終えて先に戻り放課後、気になっていた地域を買い物ついでに巡回したが何も異常は見当たらなかった。 夕食後、何故か真紀奈が苛立っている事に気づきゆかりさんからの説明で自分自身が原因で何をしようか迷っているらしい、確かに外見で同い年に見えない事は自覚しているが、何時でも戦闘態勢に移せる服装で暮らしていた分、人目を気にする事が無かった真琴は後片付けを終えると先に入浴しイギリスで生活した頃の経験を思い出し、外見に気を配らないと恋愛出来ないぞと言われた覚えがあった事に気づき解決法を見つけたが、何から始めたら良いのか悩み出してしまった。 そして着替えてリビングに向かい、参考書を読んでいると真紀奈が苛立ちながら入って来た瞬間、驚き慌てて全員を呼び出しスティックで威嚇し出した。  「アンタ誰、不法侵入で逮捕するわよ!?」 と真紀奈が怒り狂った声で問い質したが真琴は溜息を吐き、2人の後ろでクスッと笑い出したゆかりさんを羨ましく思ってしまった。 そう言えばこの姿では1度くらいしか見られた事が無かった気がするな、憶えていなくても仕方ないけど負ける訳にはいかない。 お互いに間合いを一気に詰め、先に仕掛けた真紀奈のスティックを軽く取り上げ、本人へ向けると剣術の稽古なら相手になっても良いよと答えて友紀奈は意外な顔で真琴を見るとゆかりさんが簡単に説明した。
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