記憶喪失

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しかし、急に激しい頭痛が真琴を襲い包帯を巻いた左腕の反応で効力が急激に切れ始めている事が判明し、教会へ向かい交換して貰った。 2時間後、少し休憩した真琴は待っていた綾子と一緒に帰宅し心配していたゆかりさんに事情を説明すると、何時起爆するか分からない不安で眠れない真琴はリビングで1人勉強し、放置されていたファッション雑誌を読み値段ですぐに諦めてしまった。 剣道部と弓道部に入部届を提出し早速部長と腕試しで今の実力を見せ、すぐにレギュラー陣と練習する事になった真琴は2人の師匠に感謝していた。 少なくとも一緒に生活し、忙しい時でも剣術の稽古に付き合い本格的な実践も心得から順番に教えてくれたし、一対のリングを施したのもアルだった。  「でもアルは使い魔であり、英雄だったけど自分の意思でこの世界に残る事を選んだよな」  とアルから聞かされた事を思い出し魔術の鍛錬に励み翌朝、真紀奈に呼ばれて勉強会が開かれた。 普段から勉強していれば十分な成績で追試を受ける心配も無くなる筈だが、状況から見て有り得ないらしい。 昼食後、事前に作成していた模擬テストを真紀奈と真琴に実施させ、綾子が解答しゆかりさんが採点すると真琴が満点、真紀奈が50点という成績だった事に友紀奈と綾子が驚き、本人は勉強の方法が違うだけだよと回答用紙を見ながら答え学校へ向かい着替えた。 全国大会個人・団体戦で3連覇を達成している過去を知られていない事で安心感があった真琴に対し、出場経験があり違うチームで活躍したがベスト4で終わった亮平はレギュラー入りが出来ずにいた。 コーチからの助言で距離を離して的に命中させる練習方法に切り替え、精神を集中させ矢を放ち中心に全て当たっている事が確認出来ると深呼吸して再度続けて放ち終了後、レギュラーに真琴と亮平の名前が加わり別々のチームで競技する事が決まった。 そして帰宅すると自分の部屋へ戻り着替えて様子を見に真紀奈のいる部屋へ向かい、友紀奈からの説明で相変わらず進歩していない事が解り、友紀奈を連れて再び自分の部屋へ行き資料を見せて模擬テストを作成し真紀奈に実施させると点数が上がり、間違った問題を中心に復習し夕食後、真琴は日記を書き具合が悪くなって休み、代わりにゆかりさんが綾子と一緒に手伝った。
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