第10話 大蛇の花嫁

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「悪いわね、これ以上は行かせないわよ」 単純明快、近づかなければ刀は振れない。  「な、なにを!?」 千里が狼狽したように振り返る。   「あんた達がやろうとしているのは自殺行為よ。私には協力できないわね」 「どいてください!」 「嫌よ」 「お前・・何をしている」 横から怜の呆れた声。 「どけ」 怜は私に向かって無造作に腕を突き出す。   (ふん) 私は裾の上で身体をねじり、その腕をかわした。 「私には触れないわよ!」 「・・・優衣、手伝え。この女を裾から降ろす」 優衣と怜が両側から私に迫る。  (恨まないでよ!)  私は伸ばされた優衣の手をとり、思いっきり引いてこちらに背を向かせると、その背に足裏を押し付けて蹴り飛ばした。   次いで、怜の腕をかわし、肩で怜を突き飛ばす。 私は地に倒れた二人を見下ろし、高らかに笑った。 「どうよ?裾上の格闘妖精、有賀美奈に適うとでも思ってるの?」 「正気・・・いや、本気か?」 怜は立ち上がりながら言った。 「朝までこんなことが続けられると思っているのか?」
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