第10話 大蛇の花嫁

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ズル ビチャ  ズル ビチャ 千里は腐泥門の上を、髪を引きずりながら歩きだす。  ズル ビチャ ズル ビチャ  ゆっくりと歩を進める千里。 その後を歩きながら、私はオロチ神を見上げた。 オロチ神は冥妃刀を恐れていないのか、それとも、冥妃刀を知らないのか、じっと鎌首をもたげたまま、己の花嫁が近づくのを待っている。 (いえ、知っている。だから花嫁に近づかない。でなければ、裾踏姫が裾を踏んでいないこのチャンスに、花嫁をさらわないなんてありえない) (でも、何で逃げないのかしら?このままいけば、花嫁は冥妃刀を使い、オロチは自分の花嫁を殺すことになる。花嫁が死んでもいいの?) わからない。 (神って、融通がきかないのかしら?まあ、どうでもいいけどね) 神の考えなどどうでもいい 私はやれることをやるだけ  裾踏姫としてできることを (拓郎は花嫁から武器を奪おうとした。拓郎らしい発想よね) 私は片足を大きく上げる。 (だったら・・・私なら!!) 私はその足裏を、裾の上に思いっきり踏み下ろす。そして、瞬時に『裾踏留めの呪術』を施し、千里をその場に呪縛した。
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