177人が本棚に入れています
本棚に追加
何度見ても、立川さんは美人としか言い様が無い。
少し細い目は魅惑と危険な香りを放っていて、奥で光る黒い眼(まなこ)は見つめられた者を釘付けにする。
その辺の女優にも負けず劣らずの整った顔付きで、特徴的なものと言えばそばかすくらい。
肩までかかる鮮やかな黒髪は大人らしさを更に引き立て、本当に高校生と問いたくなる。
そんな彼女だから、男共が放っておくはずも無く、貢に負けないくらい告白されているのでは無いだろうか。
だが彼女にも欠点はある。
それは無意識の内に、しかし必ず致命傷を与える技。
今もまた、新たな被害者が出そうだ。
「貴方達、本当にカメラが好きなのね」
流石に邪魔に思えてきたのか、シャッターチャンスを待つ男達に話しかけた。
「そりゃあね。コイツ程素晴らしい出来事を鮮明に残せる物は無いでしょ」
確かにそうだろうけど、不純した使い方をしてる奴が言うと説得力も何も無い様に感じてしまうのは何故だろう。
1人その真意を考えていると、立川さんはニコッと微笑みながら口を開いた。
最初のコメントを投稿しよう!