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腰にまで達しそうなロングの黒髪を後ろで1つにまとめ、ボクとそっくりな色白肌。
15歳の癖に、生意気にも発育は良く、周りを渦巻く空気も大人っぽいのだが、それは悪までも外見のみの話。
中身は完璧な子供で、イタズラばかりしてくる奴だ。
大きな目の上の長い睫毛(まつげ)がキラキラと光を反射しているところを見ると、今日は珍しく化粧をしているのだろう。
その癖、身に纏っているのはイラスト入りのパジャマなのだから、お洒落をしている意図がさっぱり分からない訳で。
「うん、なんでそんなミスマッチな姿をしているのか簡潔に答えろ。馬鹿杏華」
「馬鹿杏華って言うな! 化粧はさっき母さんにされたんだよ」
ああ、杏華で効果を実験した後にボクを餌食にする、馬鹿母のあれか。
グラス入りの化粧品なんか、いくら頼まれても拒むけど。
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