ボクは男だ!

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   何故自分はこんな顔に産まれたのだろうか――横になるといつも考えてしまう。  別に自分の顔が嫌いな訳じゃ無いが、親からは格好の餌食にされ、妹からは兄と認められない、そう思うと嫌な顔だ。  そう言えば、中学の時なんかラブレター渡されたな。テニス部の主将に。  そんな薔薇と妖しい笑みが充満してそうな禁断の世界に足を踏み入れたく無いから、丁重且つ迅速に断ったけど。    ――ボクにだって好きな女の子くらい居る。  返事を聞く必要も無く、断られるのは目に見えているが。    その子はボクを男と思っていないし、恋人も居るらしい。  そんな彼女を遠くで応援しながら、心の奥底で破局を願う黒いボクも居る。    最低だって分かってる。でも、抑えきれないのも本当。  だからって想いを伝えても、彼女は冗談として受けとるだろう。  男友達の悪ふざけの冗談では無く、“女友達の冗談”として。
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