プロローグ

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マヌケ過ぎる、私達を覚えてますか? 一人は、いつも不機嫌な顔をしていた女の子。 もう一人は、いつもキレていた女の子。 そして、いつも寝ている私…。 な~んてね! ま、全部当たってるんだけど…。 あれから、私達がどうなったのか知りたい? じゃあ、特別に教えてあげる。 あの、無愛想で不機嫌な顔をした紅葉は、あの別れの後、歌手デビューしていきなりオリコンチャート3位をゲットした。 彼女は、私の予想通りビッグ歌手になった。 そして、茜は沢田さんと今だに良い感じだ。 彼女は、今介護の仕事に就いている。 そして、私は今も寝たきりの画家のまま。 なんてね! まぁ、半分当たってるけど…。 そんな感じで、今の私は順調だ。 私は、荷物を整理して潤を見つめた。 『潤!もう、そろそろ出ないと間に合わないよ。』 私がそう言うと、彼はニッコリ笑って私のもとにやって来た。 「樹里がギリギリまで寝てるから悪いんでしょ!いつになったら、寝たろう病治るの?」 潤がそう言って笑うと、私は膨れっ面をして彼を睨んだ。 すると、潤はニッコリ笑って私を抱き締めた。 「ごめんって…。冗談だよ、冗談!」 そう言って彼が私に頬擦りしてくると、私はくすぐったくて下品な笑い声をあげた。 『ヒゲが気持ち悪い!』 私がそう言うと、彼はまたニッコリ笑ってキスしてきた。 私が、あの町に戻って来る理由。 それは、あの町で潤と結婚するからだ。 今度は、絶対幸せになってみせる。 あの別れを無駄にしない為に…。
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