👑気が付いていた。

第１章→気がついた姿

幼い頃の
ガキ大将の面影は

そこにはなかった。

人生を急ぎ過ぎた男の夢だったよね！

歌手を目差した事もある。

何かと
率先するかのように振る舞う姿が目に浮かんできた。

しかし

そこにはもう、挑戦者の面影はなかった。

ベットに仰向けになってしまった

自分を見て
いらいらしている姿だけだった。
人生とは
なんて皮肉なものか！

兄貴のモットーとしている

七転び八起きが出来無くなったのだ。

明るい性格が、禍したのか!

無理をし過ぎたのだろうか!

頼まれると、嫌と言えない性格だったからなのだろうか。

頑固で!
負けず嫌い!
なのに

病には勝てなかったのだ

体が癌に侵略されていたのだ

幼少時代の
従兄弟に逢った瞬間に

兄貴は思った。

この時はすでに自分は重病だと

気が付いていたのだ。

その姿が
今でも目に焼き付いている。

永遠に…。