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さん、
鮮血が飛ぶ。
窓を、床を、頬を、髪を、そして真っ白なドレスとスーツが汚れる。
白かったドレスとスーツも、今や真紅のドレスとスーツ。
二人の肌は白雪のように白い故今だ溢れる鮮血はよく映えた。
最後に二人は柔らかかく笑って、どさりと近くにあった寝台に身を転げる。
互いに刃物を握ったまま、互いの心臓に刺したまま、抱き合うように身を寄せ唇を重ねる。
そのまま二人は息を引き取ったのは言うまでもない。
そして後に発見した入江正一らは口々に呟く。
これがまさに血化粧。
(皮肉なほどに美しく、)(まるで絵に描いたように美麗で、)(鮮血の婚儀のようであって)
(20080730)病んだ骸と白蘭、二人だけの鮮血の婚礼式
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