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「よーちゃん、誰にメールしてるの?彼女?」
「何でオマエがいるんだよ!」
目の前に立っている大介に驚き、洋一はつい送信ボタンを押してしまった。
「もしかして彼氏じゃないよね?」
大介は洋一が自分にメールを送信していることが、分かっていた。わざとに尋ねていると、いつも冷静な洋一が焦っており、その姿を見ていると面白い。
「俺の彼氏はオマエだろ?」
洋一は頭をかきながら、大介と視線を合わせることなく、話している。寝惚けているためなのか、照れ隠しのためなのか、よくわからない。
「まさか、僕にメールしてたわけじゃないよね?こんな近くにいるのに」
「当たり前だろ…」
「別に誰でもいいんだけどさ。遅くなったけど、おはよ」
そういうと大介は洋一の口唇に、そっと口唇を合わせた。
「おはようのキス」
大介は一言だけ言うと、ドアを開け、部屋からでて行く。
隣の部屋からは、大介の携帯の着信音が鳴っていた。
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