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寝癖のついたままの姿で大介を追いかける。
テーブルの上には、出来上がったばかりの朝食が並んでいる。少しこげ目のついたトーストと、2つ並んだ目玉焼き。男の子が作ったにしては、上出来である。
「たったこれだけ?」
大介がとったさっきの行動に驚きと、嬉しさを隠そうとする。洋一は冷静さを保つためにも、冷たく言った。
「じゃあ食べなくていいよ」
その一言を聞いた大介は、洋一の分だと思われる朝食の皿を片付け始める。
「いや、食べるけども…」
慌てて皿を洋一は取り返した。
「だいたい、誰のせいで寝坊したと思ってるの…」
「食べますよ。腹減ってますもの…」
そうだった…
俺が大介を強引に犯ってしまったんだった…
ちらちらと大介の顔色をうかがいながら、トーストを口に運ぶ。
やっぱ、怒った顔もかわいいぜ…
「何見てるの?」
「いや、トーストがあまりにおいしいなぁ…と」
どうやら、大介の可愛さに夢中になり、見つめていたらしい。
無理矢理な言い訳でごまかす洋一を、冷たい目で大介は見ていた。
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