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大介はご機嫌ナナメのようで、いつもみたいに話しかけてくることはない。
やべぇなぁ…
何とかしないといけないと焦るが、どうしてよいのかも分からず、洋一はテレビを見つめるだけだった。
どこどこで殺人事件があっただの、芸能人が誰と交際してるだの。
今の2人にとってはどうでも良いことである。
「今日、晴れるんだって」
大介がポツリと言った。
「そうなのか…やっと雨じゃないんだな」
2人は視線を合わせることなく、会話を続けた。こんな会話でも、気まずい空気が変わり、洋一は話し続けた。
「学校帰り、ゲーセン行かね?」
「んー、どうしようかな…」
そう言いながら、大介はトーストの最後の一口を口に入れた。
「帰りまでに考えとくね。あ、もうこんな時間じゃん!」
時計を見た大介は、慌てて皿を片付け始める。洋一も残りの目玉焼きをかきこむと、椅子から立ち上がった。
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