2人の朝☀

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「大介、行くぞー」 慌ただしそうに準備をしている大介に、洋一は声をかける。 「ちょっと待ってよ。よーちゃん、準備早すぎ」 大介は重そうなカバンを持っている。 何をそんなに持っていくわけ…? 薄ぺらいカバンの洋一には全く理解できない。カバンなんて、単なる飾りにしか過ぎない。 「持ってやるよ」 洋一は声をかけた。と同時に手を出し、大介のカバンを持った。 「じゃ、僕よーちゃんのカバン持つね」 大介も同じように、洋一からカバンを取り上げた。 「ちゃんと持って行ってるの?教科書とか」 「学校に置いてるよ」 あきれかえった表情で大介は洋一を見ている。早く話を変えないと、大介にまた小言を言われそうである。 「急がないと電車、間に合わねぇぞ」 洋一の言葉に急いで2人は飛び出し、学校へ向かった。
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