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「大介、学食行くぞー」
4時間目の終わりを告げるチャイムと同時に、洋一は声をかけた。
「ちょっと待ってぇ」
どうやら数学の授業だったらしく、黒板には公式やら数字やらがびっしりと並んでいる。
黒板とノートに視線を往復させながら、大介は必死にシャーペンを動かしている。その姿を洋一は面倒臭そうに眺めていた。
「よし。よーちゃん、行こっか」
バタバタと教科書を片付けると大介は席を立った。
洋一の後ろを追い掛けるようして、歩きだす。
「早く行かないと座るとこなくなるぜ」
「そんなこと言っても、あの先生授業終わるの遅いんだもん。ノートとらないとわかんなくなるし…」
ノートなんて滅多にとらない洋一には関係のないことである。
洋一と大介は小走りで学食へと向かった。
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