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大介は列に並ぶ洋一の姿を確認すると、席を探すために学食内を歩きだした。
「あのぉ、お金貸してくれない?」
「僕?」
見たこともないような学生に声をかけられ、何と返事したら良いのか分からない。
洋一と同じくらいの身長をした生徒が2人、大介の前に立っていた。
「2人分欲しいんだけど…1万円で足りるかな」
この人たち、僕からお金取るつもりなんだ…
鈍感な大介にもこれくらいのことは、理解できた。
「いや、そのぉ…」
いつもは洋一が近くにいるので、対処方法は分からない。
よーちゃん、どこぉ…
周りを見回すが、さっきの列にも洋一の姿は見当たらない。
「誰か探しているのかな?じゃあ、もう1万円追加だな」
目の前に立つ、2人の生徒はさらに続けた。
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