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「何かお話でも?話あるなら、俺聞きますけど」
両手にうどんと定食のお盆を持った洋一がその2人に話しかけた。
洋一は大介ににっこりと笑いかける。
「いや、話なんて特にないんだけど…」
2人の生徒は逃げるように立ち去った。
こんなことは『不良』と呼ばれている洋一にとって慣れっこである。いつもからんでくるヤツに比べればたいしたことはない。
「大介、あいつら知り合い?」
大介が答える間もなく、洋一はさらに続ける。
「まぁ、知り合いなわけないけど」
ニヤニヤと笑ったままで洋一は大介を見ていた。そして、大介の頭を乱暴に撫でる。
「飯、食うぞ。いただきます」
何もなかったかのように洋一は箸を割り、食べ始めた。
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