442人が本棚に入れています
本棚に追加
「よーちゃん、遅いよ」
教室に入ると同時に大介から怒鳴られた。
「悪い」
一言だけ謝り、洋一は大介を見た。
大介の目は赤くなり、少し腫れている。
いつもの大きな大介の目が台無しである。
洋一の一番のお気に入りの部分だった。
「オマエ、目どうした?」
「別に…」
今にも泣きそうな表情でボソっと大介は答えた。
何かあったな…
いつも一番に考えて、いつも一緒にいる大介である。表情を見るだけでそれくらいとのことは分かる。
「屋上行こっか?」
「でも授業始まっちゃうよ」
「いいから行こう」
赤く腫れた目で時計を気にする大介を、半ば強引に洋一は屋上へ連れていった。
最初のコメントを投稿しよう!